もう一度恋して
「演技なんてなぜしたの?」
「困らせたかっただけ」
「もしかして大輝のこと
気にしてる?」
「まさかぁ!いちいち
そんなこと気にしないよ」
別に大輝の事を
ヤキモチ妬いてたわけでもないと
そう言い放った。
やっぱりあたしのことなんて
どうでもいいんだ
そう思ってると目の前に観葉植物があった。
典子さんは『捨てていいから』
とか『もう枯れてるかもね』とか
言ってたけど 全然枯れてなくて
きっと健二くんが大事に
育ててたんだと思うと今度は泣けてきた。
大粒の涙を流すあたしに
「どうしたんだよいきなり」
と少しびっくりした顔をした。
「健二くんはあたしと
何で付き合ってくれてるの?」
「なんでって・・・」
「好きじゃないならいいんだよ
無理して付き合ってくれなくても」
「はぁ?」
「別に振ってくれていいんだよ」