もう一度恋して


「演技なんてなぜしたの?」


「困らせたかっただけ」


「もしかして大輝のこと
気にしてる?」


「まさかぁ!いちいち
そんなこと気にしないよ」


別に大輝の事を
ヤキモチ妬いてたわけでもないと
そう言い放った。


やっぱりあたしのことなんて
どうでもいいんだ
そう思ってると目の前に観葉植物があった。


典子さんは『捨てていいから』
とか『もう枯れてるかもね』とか
言ってたけど 全然枯れてなくて 
きっと健二くんが大事に
育ててたんだと思うと今度は泣けてきた。


大粒の涙を流すあたしに
「どうしたんだよいきなり」
と少しびっくりした顔をした。


「健二くんはあたしと
何で付き合ってくれてるの?」


「なんでって・・・」


「好きじゃないならいいんだよ 
無理して付き合ってくれなくても」


「はぁ?」


「別に振ってくれていいんだよ」



< 29 / 198 >

この作品をシェア

pagetop