元姫
2章

家族の危機

無事に陽にマンションまで送り届けてもらい今は部屋の前にいる。

「ありがとう。もう大丈夫だよ。じゃ部屋入るね」
「うん。…ねぇ、みー」

部屋に入ろうとした私を陽は呼び止めた。
「なに?」

私は開けかけたドアを閉めた。
「みーは虹にとって大切な存在だから。じゃ帰るね。おやすみ」

そう言って背を向け帰ってった。
私が何を考えてたのかわかったのかな。

陽を見送った後に私も部屋に入った。

「ただいま」
聞こえるか聞こえないかくらいの声で言った。
「おかえりー!みぃ大丈夫だったか!?」

にぃが大声で話しながら廊下を走ってきた。
「な、なにが?」
そんな慌ててどうしたんだろう?

「いや、あんまりにも遅かったから」
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