こじれた恋の終わらせ方
実家についてインターフォンを鳴らすと、母の声がした。


『はい。』


「お母さん。私。」


『麗華・・・待って今開けるわ。』



母の声が若干疲れているように思う。

きっと父から何か言われたのだろう。

私のせいで母が責められたのだと思うと心が重くなった。



そんな私の心を見透かすように水野が私の手を握った。

驚いて水野を見ると、こちらを見てにこりと笑った。




「何も心配するな。」



笑顔でそう言われた。



玄関が開く音がして中から母が出てきた。



私を見て困ったように笑うと、そのまま水野を見つけて固まった。

しばらくして、母はなぜがにやにやと笑い始めた。





お母さん、その顔はやめて



内心そう思わずにはいられなかった。



「麗華、お帰りなさい。何だか色々あったみたいね。

 お父さんが待ってるわ。」



『お父さんが待ってる』母の言葉に私の心は一層重くなる。


一方の母は、こんな状況にもかかわらず、どこか嬉しそうだ。



きっと何か勘違いをしてるな。

そう思う。


そして、その勘違いの原因が、さっきから振りほどこうとしているのにいつまでたっても放してもらえない繋いだままの手にあることは重々承知だ。



靴を脱ぐために放した手は、靴を脱いだ後、あっという間に捕獲しなおされた。



結局振りほどくことができないまま父の待つ応接間にやってきてしまった。
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