こじれた恋の終わらせ方
次の朝、私は何かに触れる感覚で目が覚めた。


正確には、何かが触れるというか、手に何かされている感覚だ。




そっと目を開けると、私の指に紐の様なものを巻きつけている千尋と目があった。



私が起きたことに気づいて固まる千尋。



私は素朴な疑問を口にした。



「何してるの?」


起き上がりながらそう尋ねると、千尋は盛大なため息をついた。



「そこは寝たふりしとけよ!!」


いきなり怒られてテンパってしまう私。


「え?ごめん。何してるんだろうと思って。」


「指のサイズ測ってたの!!」


「?」



「あーもうマジでかっこ付かない。」


千尋はベットの横に座り込んで少し寝癖のついた髪をぐしゃぐしゃとした。


よくわかんないけど、何か悪いことしたみたい。



「何かよくわかんないけど、ごめんね。」


「しかも、わかんないのかよ!!」



怒られて落ち込むと、千尋が振り返った。


ベットに肘をついた千尋は私を見上げるかたちになる。



イケメンは寝癖がついててもイケメンだな。そして、イケメンの上目遣いは心臓に悪い。



意味のなくドキドキしている私に千尋が追い打ちをかける。



「いるだろ。プロポーズの時。」



プロポーズ?指のサイズ?


そこまで言われてやっと気づいた私は、顔が一瞬で熱くなった。たぶん真っ赤だろう。



「俺達って何かスマートにいかないな。」


千尋が苦笑いを浮かべながら私の左手の薬指を握った。



「でも、まぁ、お前となら一生退屈しないで暮らせるんだろうな。麗華は?そう思わねぇ?」


千尋はそう言って笑った。
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