Mysterious Lover

う……

確かに、誰ももうわたしたちのことに気を止めていなかった。

「天使に感謝、だな。……もう限界」

「え」
両頬を大きな手が包み込んで、わたしを上向かせる。
あっという間にふさがれた唇に、文句も言えなくて。

何度も、何度も。
お互いの存在を確かめるように。
唇は離れ、そしてまた重なって……。
深く、熱く、わたしをかきたてる。

足がマシュマロになったみたいに、立っていることが難しくなって、わたしは拓巳の体に縋りついた。

「奈央さん?」
拓巳が、わたしの耳を甘噛みしながらささやいた。

「……うん?」

「メリークリスマス」

「うん……メリークリスマ……ん……っ!」

つぶやきは、天使の羽も溶けるような、熱い唇に閉じ込められた。



◇END◇


初投稿の拙い作品に、最後まで辛抱強くおつきあいいただきまして、
本当にありがとうございました!!
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