ブラックドレスに甘い毒牙を隠して…

「 ちょっと、里桜… あんた憂臣くんにメアド教えてなかったわけ?」

「 うん、まぁ… 藍沢くんのは知ってるよ、私のは今教えたし… 」



そう言っていると携帯がスカートのポケットの中で振動している。



「 それにさ、なんで名字呼び? あんたたち付き合ってるのに 」



もう、弥生…

呼び方なんていいよ…



誰にもわからない、誰にも言わない。




「 名字が呼びやすいからかな?弥生は早く耀くんと仲直りしなよ 」

「 もう、それ言わないでよ~ 」



弥生には彼氏がいる、村河 耀、原因は優しい性格を逆手に取られカラオケコンパに行ったことがケンカの理由。

でも弥生は ほんとはもう許してるはず。

素直にならず 意地を張って拗ねてるだけ。

予鈴が鳴り弥生が席に戻り、私は携帯を見る。



藍沢くん…



憂臣がさっそくメールを送ってきていた。



“ 今日 帰り どっか行こう ”



そんなメールだった。

私は返事を送った。



用事があるから行けないと…



そう、何より大切な用事。

綾己のアパートへ行くのだから。

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