ブラックドレスに甘い毒牙を隠して…
玲羅の隣にいる憂臣は じっと私を見ているが、私は憂臣と目を合わせる事なく話していた。
玲羅は憂臣の私を見る目が気に入らず嫌みを言う。
「 憂臣、なんで付き合ってるの?私、わかんないんだけど 」
それは私も同感。
「 あの時… 一目惚れしたんだ 」
まっすぐ私を見て言う憂臣を 私は見た。
あの時って いつ…
それは小さな疑問、気にしない。
「 え… ちょっと!ねぇ、憂臣、あの子の何に一目惚れするわけ?全然わかんない 」
「 私 行くね 」
私が教室に行ってしまうと、後を追うように玲羅に構わず憂臣も教室へと来る。
「 里桜、メールは?昨日待ってたのに 」
「 メール? そうだね、ごめん 」
「 俺からするから教えて 」
私の携帯に綾己以外の男の名前が入るの?
嬉しくないよ…
あんたのだけは…
断る理由はあるのに言えないため私は内心渋りながら教えた。
「 さんきゅ!里桜 」
憂臣は喜んで席に戻っていった。
そんな様子を見ていた弥生が私のそばにきた。