ひとつの輝き

しばらくの沈黙の後「ねぇ?」と呼び掛けた。 


返事がないから“寝たのか?”と思いながら隣にいる渉を見た。 


だけど、前に一度見た事のある沈んだ顔をしていた。

初めてベランダで見た時と同じ顔をしている。 

あたしは、もう一度呼び掛けた。 



「ねぇ…渉?」 

渉はパッとあたしを見て「あぁ…」と声を漏らした。 


「どうかした?」 


渉は軽く息を吐き体を起こした。 


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