ひとつの輝き
「ミカンジュースが?あたしに…?」
「うん。そうだよ…あたし来た時、聞いたよね?渉の事、気になってる?って…でも美央ちゃんは“もういい”って言ったよね?でも、それは嘘だね。気持ちは変わってないと思うよ。ミカンってさ、外も中も色が一緒なんだよ。だから、今の美央ちゃんも外の気持ちと中の気持ちが一緒って事」
里佳さんは微笑んで「あたしいい事、言ってる?」と龍斗先輩を見る。
「いや…俺は全然よくわかんね」
「あっそ!ちなみにあたしはリンゴだから」
そう言って、里佳さんは袋からリンゴジュースを取り出した。