ひとつの輝き
先輩はクルっと振り返り首を傾げた。
だよね…
こんな事、普通言わないよね。
誘ってるみたいじゃん…
自分の言った事を今更、後悔する。
先輩はドアの前まで来て「親いるんじゃねーの?」とあたしに目を向けた。
これは気づかってんのかな?
すっごい軽そうに見えるのに。
「いや…いないよ」
「あっ、そっか…昼間だもんな」
そうじゃなくて、朝も昼も夜も関係なしに親なんて居ない。
あたしは曖昧な微笑みを返し先輩を中に入れた。
「うわっ!すげっ」
入るなり先輩は辺りを見回し叫んだ。
「適当に座ってください」
あたしは冷蔵庫に向かい缶コーヒーを取り出しソファーに座っている先輩に差し出した。