ひとつの輝き
「藤堂様…」
あたしが声を漏らしてすぐ「これみろよ」と隼人は一枚の紙を見せてきた。
同じく一番下に目を向けると、そこには…
“…青山様…”
あ…あたしだ。
日時も場所も全て同じ内容だった。
「えっ…嘘…隼人なの?」
あたしは手に持っていた紙を半分に折り、隼人に返し、目を向けた。
「みたいだな…」
知らなかった…。
隣の席なのに隼人の事は何も知らなかった。
ただ下の名前で呼び合ってるだけで普通に会話してるだけで…
隼人はクラスの中では、凄く大人びていて、周りの事には興味ないって感じで…
隣同士なのに、あたしの事を聞かなければ自分の事も言ってこない人…
今、前にいるなんて信じられなかった。