そこの御曹司、ちょっと待ちなさい!
何事もなかったかのようにエレベーターに乗り、三階の自分の部屋に入り、ヒールをぬいで、コートをハンガーにかける。


それにしても.....。

こうも上手くいくと、逆にこわいくらいね。

簡単すぎない?

落とす楽しみ、どこいったのよ。 


簡単すぎる御曹司には拍子抜けだけど......。

これで、セレブ妻へ一歩近づいたわね。


「ふっ......ふふっ......ふふふ.......」


ああ、もうダメ。
抑えられない。

残念御曹司といるときは必死にかみ殺していた笑いが、今になって、溢れ出す。

......一回いっとこう。


テレビの電源をつけてから、大きく息をすいこむ。


「いよっしゃあああぁぁ!!セレブ妻よっしゃぁ!」

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