拗らせDKの偏った溺愛



机を教室の前に寄せて、空いた後ろ半分の床を使って佐藤さん達が旗を描いていらっしゃいます。

私と森本君は前半分の机密集地で無理矢理腰かけて打ち合わせをすることにしました。

体育祭の準備が始まるまではイヤイヤというか、仕方なく、という雰囲気だった森本くんですが、本番が近づくにつれて随分と打ち解けてくださったように思います。

それに合わせて体育祭実行委員としての仕事にも協力的になってくださいまして。

最近は私としても、とてもやりやすくなったように思います。

クラスの皆さんも練習を重ねるにつれ、徐々に一丸となっている感じがします。

クラスがまとまるというのはこんな風なことなのかな、と、密かに嬉しく感じていたりする今日この頃です。


「委員長、あの旗は体育祭前日までに先生に引き渡さなくちゃだろ?」


「あ、はい。そうでしたね」


「今のところ順調だし、あと2日位あれば完成しそうだって佐藤も言ってたよな」


「そうですね」


「でさ、当日の事だけど…」


森本くんと2人で体育祭の段取りが書き込まれた実行委員向けのレジメを覗き込んでいる時でした。




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