こんな男に誰がした!
「どこか、行きたい所はある?」
「横浜がいいな。私のお気に入りの美味しいカフェがあるの。」
「OK!カフェの近くのパーキングを教えて。」
「横浜スタジアムの近くだから、その周辺のパーキングに入ってくれればいいわ。」
横浜スタジアム付近は、わりとパーキングが多く、直ぐに入ることができた。
今日は日曜日だから、野球観戦に訪れた横浜ファンは、皆ブルーのユニフォームを着てスタジアムに吸い込まれるように歩いて行く。
弥生のお気に入りのカフェ『カントリーロード』は、木の温もりを感じる内装で、年齢を問わず誰でもが入り易い店だった。
窓際の席に向かい合って座り、弥生はアイスカフェモカ、俺はジンジャーエールを注文した。
「まずは、おかえりなさい。」
弥生は、一瞬目を細めて、
「ただいま。」
「イギリスは、どうだったのかな?」
「もちろん楽しかったよ。あなたは、この1年でずいぶん変わったみたいね。いろいろと聞いているんだけど。」
「誰から?」
「私にも友達がいるのよ。とても優秀なね。」