こんな男に誰がした!
「俺のこと、知ってたの?」
「多分、この会場の若い女性たちは、みんなあなたのことを知っているはずよ。」
「どうして?」
俺は、パーティー嫌いだから、頻繁に参加していない。年に数回、父の強制の時だけだ。
沢山の女性たちが、俺を知っていることに、納得いかなかった。
「だって、今夜は、父たちの計画した集団見合いだから。前もって、誰が来るか知らされていたの。」
やってくれたな、親父のやつ。
前もって言えば、俺が絶対来ないと踏んだんだろうな。その通りだけど。
「弥生さん、俺と付き合ってみませんか?」
俺は、心臓がバクバクなるのをやっと押さえながら、彼女に言った。
「私ね、今夜は父の顔を立てて参加したけど、誰かと付き合うつもりはないのよ。私には、理想の王子様がいるの。ごめんなさい。」
「そうなんだ。その理想の王子様って、誰か聞いてもいい?」
「私の理想は、花園和人 (はなぞのかずひと)。私の従兄弟なの。和兄さんのような人が現れるのを待ってるの。」
「俺とは全然違うタイプ?」
「全く違うわ。」
「そう。 もし俺がその従兄弟のようになれたら、そうしたら、付き合うと約束してほしいな!」