こんな男に誰がした!
「私、9月から1年間、イギリスに留学するのよ。だから、お付き合いはできないと思うの。」
「それは都合がいいね。その1年間で、君の理想の人目指して変わるよ。1年後にまた会って、君が判断してくれればいいから。」
「まあ、期待してないけど。取り敢えず1年後に会いましょう。」
今回は、しっかりした約束はできなかったが、1年後に会うことは、確約した。
そんな俺たちのことを、俺の両親と花園の両親がにこやかに見つめていたのを、二人は、知るよしもなかった。
俺の両親が経営している大城酒造カンパニーは、日本酒の製造業から始まり、現在はフランスにワイン工場を持っている。
更に、居酒屋やワインバーを東京を中心に主要都市に展開している。
彼女の花園ホテルは、京都が創業店で、由緒ある老舗ホテルだ。
海外にもいくつか進出しているはずだ。
一人娘かと思ったが、どうやら弟がいるらしい。
花園和人も一族だから、いずれどこかのホテルを任されるだろう。
ただ、いとこ同士は、結婚が可能だから、安心してはいられない。
いずれにしても、1年間で変わらなければならない。