聖夜の光



クリスマスツリーの天辺の星は、「全ての人に光あれ」という意味だそうだ。

笑っている人にも、もしかしたら泣いている人にも、星の光は等しく降り注ぐ。

特別な聖夜なら、出来れば笑って過ごしたい。

それが大好きな人と一緒に、であれば、最高なのだけれど。



今夜の私の場合、それは半分、叶っている。

クリスマスの夜、美しい高層ホテルのラグジュアリーな一室で、大好きな人と夜を過ごすという意味においては。

ただその相手は、私の双子の姉なのだ。

ずっと前からこのスイートを予約して、折角部屋を取ったのに、何と彼氏に仕事が入ってしまって今夜は一緒に過ごせなくなったらしい。

私には元々彼氏なんて居ないからイヴに予定は無かったし、空いた部屋を有効に使おうという姉の誘いを断る理由も無かったので。

今夜は姉妹仲良く、このホテルの部屋でクリスマスを祝う事になっていた。

大きく切られた窓から見下ろす夜景が美しいこの部屋で。
優雅な曲線を描くインテリアに囲まれて。

私はこうして、後からここにやってくると約束した姉を待っている。



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