悪役の私
「おつかれさま〜」
笑顔で私を迎えてくれる優。
その笑顔を見て、私も自然と笑顔になる。
この気持ちをなんと呼べばいいんだろう。
ホッとするような、嬉しいような、目が離せなくなるこの気持ち。
「ん、どした??」
優の問いかけに我にかえり、目をそらす。
「あ、、えっ、と…今日、どーしよっか!」
「そうなんだよねぇ…。」
実は会う、ということは約束していたけど、その後何をして過ごすかまで決めていなかった私達。
携帯の画面が0:00と表示される。
悩みながらたわいもない話をしてる間にあっという間に年を越してしまったのだ。
「…過ぎちゃったね。」
「うん…」
「…あけまして、おめでとうございます。」
「お、おめでとうございます。」
「とりあえずさ、初詣行かなきゃじゃん?」
…確かに。
まだ走れば終電に間に合う。
私達は急いで駅に向かい電車に乗り、少しここから離れた神社へ向かった。