もう一度出会えたら
二人に見つかってしまった私は、重い足を無理やり動かし二人の側に向かう。
『沙羅お疲れ様。…涼くんも……久しぶり。海外に行ってるって聞いたけど帰ってたんだね…」
精一杯の笑顔のつもりで明るく声をかけたのに彼の名前を言う時に少しだけ声が震えてしまった。
『お久しぶりです。先週…帰って来たんです』
先週…?予定よりも早く帰国してたんだ。
彼とは会社の最寄駅が同じだけど駅で会うのは今日が初めてだった。
今いるのは、私がいつも利用している改札とはちょうど反対側の改札出口。
かなり沢山の人が利用するこの駅だからすれ違っていても気づかない事はあったかもしれないけど、改札出口が正反対となれば尚更会う事はなかった。
『ねぇ、今涼くんと話してたんだけど彼ももう仕事が終わったって言うからさ一緒に飲まない?』
…え?沙羅の突然の提案に戸惑いはあったけど私も自分の気持ちに向き合わなければいけないと思っていたから…いい機会なのかもしれない。
『菜々はどうかな?』
直ぐに答えられなかった私に沙羅がもう一度聞いた。
「うん…私は大丈夫だよ。涼くんさえ良ければ」
『沙羅お疲れ様。…涼くんも……久しぶり。海外に行ってるって聞いたけど帰ってたんだね…」
精一杯の笑顔のつもりで明るく声をかけたのに彼の名前を言う時に少しだけ声が震えてしまった。
『お久しぶりです。先週…帰って来たんです』
先週…?予定よりも早く帰国してたんだ。
彼とは会社の最寄駅が同じだけど駅で会うのは今日が初めてだった。
今いるのは、私がいつも利用している改札とはちょうど反対側の改札出口。
かなり沢山の人が利用するこの駅だからすれ違っていても気づかない事はあったかもしれないけど、改札出口が正反対となれば尚更会う事はなかった。
『ねぇ、今涼くんと話してたんだけど彼ももう仕事が終わったって言うからさ一緒に飲まない?』
…え?沙羅の突然の提案に戸惑いはあったけど私も自分の気持ちに向き合わなければいけないと思っていたから…いい機会なのかもしれない。
『菜々はどうかな?』
直ぐに答えられなかった私に沙羅がもう一度聞いた。
「うん…私は大丈夫だよ。涼くんさえ良ければ」