もう一度出会えたら
彼はどう見ても嬉しそうな顔をしていて…


「ねぇ、嫌じゃないの?」


とい聞いた私に彼は不思議そうに


『何故僕が嫌がるんですか?その逆です。菜々さんの実家に呼んでいただけるなんて…嬉しすぎます』


そう答えた。


「本当に?普通はいきなり親に会わされるなんて嫌がる人もいるでしょう…」


『確かに菜々さんのご両親にお会いするのは緊張はしますけど嫌なわけありません。逆にこの機会にきちんと挨拶させてもらいたいと思っていたのでありがたいです』


「そう言ってくれてありがとう」


安心して彼に笑顔を見せると彼もそれに応えるように、ニコリと笑ってくれた。


『菜々さん、これからも僕と結婚を前提に付き合ってくれますか?』


真面目な表情に変わった彼が言ってくれたその言葉に…胸がジワリと熱くなる。


涙が溢れそうになるのを必死で堪え彼の目を逸らさずに「はい…お願いします」


ハッキリとそう答えた。


『ありがとう…菜々さん』


「ありがとう、涼くん」


お互いに笑顔でお礼を言い合うと、二人最高の笑顔で微笑み合った。
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