もう一度出会えたら
目の前にある現実に、頭がパニックを起こしていた。


知らない部屋に、あの人とは違う男性。


ここは何処で、この人は一体誰なのか?


そして昨夜の私の身に何が起きたのか。


不安や恐怖、焦りなどが入り混じった感情でわけが分からなくて、少しも冷静になれなかったのが良くなかった。


もう少し落ち着いて考え行動できていれば、あんな間違いは起きなかったのに。


この時の私は、誰か分からない目の前の人が目を覚ます前に、ここから逃げ出すことしか考えられなかったから。


何も身に着けていない自分の姿に落胆しながらも、私はベッドからそっと抜け出した。
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