もう一度出会えたら
でもその時間は彼の言葉によって慌ただしく動き始める。


『呼ばれてますよ』


目の前の彼に言われているのに、何を言われているのかすぐに反応できなくて


「えっ?」と聞き返す。


不意を突かれ、再び動き出した時間に乗り遅れてしまった。


『看護師さんに呼ばれていますよ。」


もう一度はっきりとそう言われ我に帰ると、1番診察室のドアから看護師さんに呼ばれていた。


「すみません…ありがとうございます」


と彼に伝え慌てて診察室に向かった。


診察が終わり待合室に戻ると、小児科の待合席も数人が残っているだけで、患者さんの数も随分と減っていた。


彼の姿ももう見えない。もう帰ったのだろうか?


彼が居なくてホッとする反面、それとは相反する気持ちもわずかに感じた。


自分でも何故なのかよく分からなかった…。
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