もう一度出会えたら
彼とのキスを思い出してしまった私はまともに彼の顔を見れなくなった。


顔から湯気が出ているんじゃないかと思うほど熱い。


夢だと思っていた事は現実だった…だけど、どこまでが現実でどこからが夢だったのかはやっぱり思い出せない。


店内は程よくエアコンが効いていて快適なはずなのに、こんな顔を見られたら何を考えているのか彼にバレてしまいそうで怖い。


お手洗いに行って誤魔化そうと思ったその時、


『お待たせしました。キッズハンバーグでございます』


蓮の目の前に、プレートが届いてしまった。


目をキラキラさせていて、よだれまで落ちてきそうな蓮の顔。


これ以上待てるわけもなく、蓮が食べられるように小さくカットする。


『いくつですか?』


いきなり彼が質問してきて、動揺していた私は自分の歳を口にしていた。


「25です……」


『……えっーと、蓮くんの歳を聞いたつもりだったんです。紛らわしかったみたいですみません』
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