もう一度出会えたら
『今いくよ』


と答えた彼が、いたずらっ子のように


『ったく、そのまま2人で行けばいいのに…。
そしたらこっちも2人になれるのにね』


と呟いた。彼のその言葉に驚きを隠せなくて……


思わず隣の彼を見上げてみたら私の視線に気づいた彼が


『だってあの2人だって俺たちがいない方がいいと思いませんか?』


「…確かに」


『でしょ』と言って笑う彼の顔を見てドキドキと胸が高鳴る。


そう言いながらも彼に促され歩き出す私たち。


金曜の夜はまだ始まったばかりだ。
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