もう一度出会えたら
「蓮は私の甥っ子です。
この間は出張中の姉の代わりに私が病院に付き添っただけで…」


一気にまくし立てるように誤解を解くと


『え…お子さんじゃなかったんですか?看護師さんにもお母さんって呼ばれてたので…つい。そっかー違ったんだ。』


彼が安心したようにそう言うと、私をまっすぐ見て頭を下げてきた。


『僕の誤解だったのに失礼な態度と言葉で嫌な思いをさせてしまい本当にすみませんでした。』


とても真摯な態度で、謝ってきた。


「いえ…気にしないでください。言われてみたら、私も看護師さんにそう言われた時にそのまま流してしまったから、そう思われても仕方ないです。」


『誤解も解けた事だし行きましょうか?悟達も待ってるし』


そう言って、数メートル先で待っている2人の方を見て涼くんが言った。


「え…でも」


『おーい、2人とも早く行くぞ』


悟くんが私たちを呼ぶ。
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