ブルーカクテルで乾杯を
ブルーカクテルで乾杯を
24の冬。

正直寒いのは得意じゃないけれど、この季節は嫌いじゃない。
それは、隣にいてくれる人がいるから余計かもしれない。

「今日は冷えるな。あったかいモン食いたい」
「あったかいものって……どうせラーメンとかでしょ?」

付き合って三年目の彼氏。大学の時から一緒だとカッコつける必要なくて、すごくラク。

「話が早いな。じゃあ、店の選択権は梓乃(しの)にやるよ」

そんな流れで色気も何もないラーメン屋に入るのだって、口は尖らせるものの本当に嫌だと思ったことはない。

「ホント寒っ。店決めた?急ごう」

そう言って私の手を自然に取って、向こうのコートのポケットに突っ込まれる。その温もりが優しくて心まであったまる。

ようやく慣れてきたパンプスを鳴らして先を急いでいると、ふと、煌びやかな照明に目を奪われる。
暖色系の灯りはどこでも見るものだけれど、ブルー系は珍しいと思って顔を上げた。

「わぁ、綺麗……」
「ん?ああ、もうクリスマス仕様なんだな」

そのブルーは、通りがかったホテルのロビーに飾られたクリスマスツリー。
幻想的な明かりを灯して、確かな存在感を放っていた。それはまるで、あの空間だけ別世界に思えるほど。

「こんなところでクリスマスディナーとか、素敵だなぁ」
「そういうもんかぁ?俺はなんか肩凝りそうで興味ないな」

切り返された言葉に内心がっかりしたけれど、それすらも予想通りで怒るほどではない。

「言ってみただけ!ほら、行こう」

そうして今度は私が腕を引っ張って、寒空の下を再び歩き始めていった。
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