Sだけじゃ、たりない。
猫か狼か、否か。
「あのさ…!仁」


「ん?」


「さっきの…昼休みのアレは…どういうことだったのでしょうか」


恥ずかしくて仁の顔を見ることができない。

ファーストキスというわけではないが、洋介以外としたのは初めてだ。

しかも初対面で、間もない人にされるなんて…。


「……さっき?」


「いや、だからあの…アレですよアレ」


変に敬語を使ってしまう。


「ちゃんと言わないと、わかんないけど?」


だんだん、顔が熱くなっていくのがわかる。

わかってるのに、しらばっくれるつもり!?


「だからっキスだよ、キス!したじゃん」


もう半分ヤケになりながら勇気を振り絞って言う。

私が言ってもしばらく返事をしてこない仁の顔を、チラッと見る。

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