Sだけじゃ、たりない。
仁…本当に何を考えてるのか、わからないよ。

出会ったその日に、こんなに悩まされるとは思いもしなかった。


『ビンタしてごめん』


私もシンプルにLINEを返した。

会話を続ける気力も、さっきの話の続きをする気力も、もう無かった。


『俺結構気をつけてるつもりなんだけど、言葉遣い悪くなっちゃう時あるんだ。嫌な思いさせちゃってたとしたら本当にごめん』


気をつけてるつもりなんだけど、って…。

どうして気をつける必要があるのだろう。悪いなら悪いで、そのままの口調で話してくれていいのに。

言葉遣いに気をつけなくちゃいけないって…まさか仁をの家って極道!?


「…まさかね」


独り言を呟き、制服のまま着替えもせずベッドに横たわった。

そのまま私は、深い闇へと落ちていった。

現実と闇との狭間で、私はずっと仁のことを考えていた。
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