さよならは言わない


自分は果たして、何のために生きて何のために死ぬのだろうかーーー。

いつ頃から考え始めたのか定かではないが、本当にふと、気が付いたらそう思っていた。

母親と仲が悪いわけではない。むしろ同世代と比べると比較的仲が良い方だと思う。

学校生活に不自由しているわけでもなく、友達もそこそこ多いし嫌われ者でもない。成績優秀で優等生として先生に可愛がられている。

部活動も優秀、成績も個人と団体戦で残していて先輩後輩とも仲が良い。

きっと傍から見れば、私は恵まれた人生を歩んでいる。

何一つ不満はない。

不満はないけれど、満足しているわけでもない。

けれど自分がここにいる意味を、考えてしまったのだ。くだらないと人は笑うかもしれないが、私にとっては自らのアイデンティティを揺るがす問題だった。

だって私は、何一つ自分に自信が無かったのだから。



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