一ヶ月の恋…最低男の言い訳…
episode first
初めて彼にあったのは10年前…。

地元の居酒屋。

名前は隆司(たかし)。

友達が知り合いで一緒にお酒を飲んだのがきっかけ。

年齢は一つ下。

同じ高校だったから、顔と名前くらいは知っていた。

弟と同じバレー部だったから…。

印象は「まじめ」これ以外になかった。


私が出会った時にはたかしは結婚して子供もいたし、特別な感情も全くなかった。

話の内容もそれほど面白い訳ではないし…。


お酒を飲むのが好きなのか、結婚しているにも関わらず女の子を連れてお酒を飲んでいる…意外…まじめだと思っていたから…そんな印象だった。


ある時、また一緒に何人かでお酒を飲んでいると…奥さんが来た。

「何やってるの?帰ってきてよ‼」

泣きながら…

「ヤバイ…帰るわ」

そう言い残し帰っていった。

まさにちょっとした修羅場…。

見るからに家庭的ではない。

その奥さんとは遠距離恋愛の末、授かり婚をした。


隆司は時々、連絡してくる。

私は地元に住んでいる訳ではないから、地元に帰った時に数人でお酒を飲む「飲み仲間」という感じ。


もちろん、特別な感情はない。

家庭を壊すつもりもない。


だけど、私の住んでいる所に来ていて…

「会える?というか泊めて?」

「………えっ?」

「連れも居るから二人なんだけど…」

その連れも既婚者…。

「面倒な事にならなければ別にいいけど…」

そう答えた私。

泊まる予定じゃなかったが、飲み過ぎてしまったのだろう…二人に家の場所を教えて、タクシーで来た。

連れはすぐ寝てしまったら、毛布をかけて寝室へ私は行った。

するとたかしは…「一緒に寝てもいい?」

「はっ?」

奥さんと子供いるのに…

「ベッドじゃなきゃ眠れない…」

「私、布団敷いて寝るからどうぞ」

「一緒に寝よう…?」

布団敷くのも面倒だったし、彼らがうちに来たのも遅かったから一緒に寝る事にした。

何も起こらないと思っていたし…。

私の考えは甘かった…。

「しようよ…」

「えっ…?」

そう答えると隆司からの甘いキス…。

私は隆司に体を許してしまった。

この一回きり…。

私はその一回に後悔した。

なぜ、体を許してしまったのか…。

隆司はそういうタイプだと思っていなかった。

隆司より隆司のお父さんとの方が仲良かったから…。

仲が良いというより、私の誕生日にお花をもらったりかわいがってもらっていた。


私はOLをしながら姉のスナックの手伝いをしていたから、その繋がりで良くしてもらっていた。


それだけ…。

私はそれ以来隆司と体を重ねる事はなかった…。

連絡はとっていたものの、特別な感情はお互いない。


その後、私には彼氏ができて隆司とは連絡を取らなくなった。
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