極上な彼の一途な独占欲
「俺は、普通の男だから」

「はい」

「上にベッドがあると知っていて、見えるところにお前がいて、いい具合に酒が入ってたりしたら」


浅い場所で舌が出会う、私の好きなキス。


「その機会に乗じないなんて、できないんだ」


濡れた唇を、噛み合わせて食む。


「それは、だいぶ普通の男ですね」

「だろ?」


笑いを含んだ声の甘さが、指先までしびれさせた。




ベッドの中で、私は急に自信がなくなって、なぜかというとヒロ以来なにもなかったせいで、勘を取り戻すのに時間がかかるんじゃないかと思ったからで。

それをそのまま口にして、伊吹さんに本当に嫌そうな顔をされた。


「お前、この状況で、よくほかの男の名前なんか出せるな」

「だって…」

「だいたい、勘ってなんだ」


勘は…勘です。

枕の上で首をかしげたら、髪の毛と布のこすれる音がした。

伊吹さんはこんなときでも、冷たいため息を吐けるのだ。もうお互いの身体は限界まで温度が上がっていて、相手を求めているというのに。

伊吹さんの瞳だって、それを如実に表して、昂ぶりに濡れているというのに。


「別にお前の勘なんかに期待してない。取り戻すまで好きなだけぼけっとしてろ」

「そんな言い方ってあります?」

「どうせ取り戻したところで下手なんだろ?」


それはなにか違う!

抗議の声をあげようとした瞬間、身体が重なってきた。

熱さと重み。一瞬緊張した自分の身体が、すぐに緩く溶けていくのがわかる。

女ってこれだからなあ。

あなたのこと大歓迎、って身体が言っちゃうんだもん。
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