不器用な彼氏
お姉さんは終始ご機嫌で、料理を作ってる最中から、既に飲み始めていた。

そして、メインであるキムチ鍋は、辛い物が苦手な私にも、食べれる程度の辛さに調整してくれて、食べやすく絶品だった。

『菜緒ちゃんって兄弟いるの?』
『妹が二人』
『へぇ、三姉妹の長女なんだ』
『ハイ、あんまりしっかりしてないですけど…って、海成、ココ笑うとこじゃないから』
『そうよ、彼女、こんなにしっかりしてるじゃない?』
『どこが?』
『もう!失礼しちゃう』
『ホントごめんね~こんなバカな弟で』

他愛のない会話で、鍋が進む。お姉さんは、3つも上だけれど、気さくで話しやすく、人とのコミュニケーションがうまく取れない彼と血がつながっていることが、不思議なくらい。

その後も、会話はずっと途切れることなく続き、気が付くと時刻は夜の9時を回っていた。

食後のデザートには、昼間、私が買ってきたケーキを食べる。お姉さんが、海成にはコーヒーを、コーヒーの飲めない私には、紅茶を入れてくれた。

当の本人は、友人から貰ったという、スパークリングワインをおいしそうに飲んでいる。

しかし、食前からだいぶ飲んでいたと思うのだけど、多少陽気度は高くなったくらいで、大した変化はないところを見ると、どうやら進藤家はお酒に、めっぽう強いらしい。
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