不器用な彼氏
ところが、予想を反して、その容姿に似合わず、その辺の男より確実に、肝は座っていた。おそらくアイツもしばらく経って、受けた業務の現実の厳しさは、身をもって分かったはずだ。
だが、意外にも根を上げたりはしなかった。
第一、容赦ない俺の怒号にも泣き出しもせずに、真摯に受け止めているのには驚いた。
教育係である東は、相手が年上の女性だからか、バカ丁寧に教えているようだったが、俺はそんな気遣いなど、ゼロに等しい。
仕事が終わってからも、昼間の残務と共に、遅くまで残って、業務に必要な知識を猛勉強している。
それは、“男に負けたくない”とか、そういった類の、くだらない女のプライドなんかじゃなく、単純にこの仕事に対して真剣に向き合っているようだった。
そういった姿勢に、女だからという意味ではなく、好感が持てたのは事実。
その頃から、俺は試験勉強という名目で残業するようになった。
これは、アイツには絶対知られたくないが、試験勉強とは名ばかりで、実のところ、定時と同時に帰る東の代わりに、時間外に出るアイツの疑問や質問に、答えてやるために残っていたといっても過言ではない。
無論、教育係は東なのだから、ここまでする必要はなかったが、この時は純粋に、努力している同僚をサポートするような気持ちだったように思う。
だが、意外にも根を上げたりはしなかった。
第一、容赦ない俺の怒号にも泣き出しもせずに、真摯に受け止めているのには驚いた。
教育係である東は、相手が年上の女性だからか、バカ丁寧に教えているようだったが、俺はそんな気遣いなど、ゼロに等しい。
仕事が終わってからも、昼間の残務と共に、遅くまで残って、業務に必要な知識を猛勉強している。
それは、“男に負けたくない”とか、そういった類の、くだらない女のプライドなんかじゃなく、単純にこの仕事に対して真剣に向き合っているようだった。
そういった姿勢に、女だからという意味ではなく、好感が持てたのは事実。
その頃から、俺は試験勉強という名目で残業するようになった。
これは、アイツには絶対知られたくないが、試験勉強とは名ばかりで、実のところ、定時と同時に帰る東の代わりに、時間外に出るアイツの疑問や質問に、答えてやるために残っていたといっても過言ではない。
無論、教育係は東なのだから、ここまでする必要はなかったが、この時は純粋に、努力している同僚をサポートするような気持ちだったように思う。