不器用な彼氏
『そこの角の100円パーキング』
『その駐車場なら、駐車券あれば、割引してあげられるわよ』
『車ン中だ』
『取って来なさいよ。ここ駅前だし、駐車料金、結構高いわよ』

確かに、理香子さんの申し出は、ありがたい。
海成は、一瞬私を見ると『ここで、待ってるか?』と聞いてくる。

おそらく、昨夜のことを気にして、私を、理香子さんと二人っきりにしてしまうことを、気遣ってくれているのだろう。

『うん』
『何よ?人を危険人物みたいに、彼女可愛いからって、手出さないわよ?』
『分かったもんじゃねぇ』
『失礼ね!』
『菜緒、すぐ戻る』

そういうと、先程停めた駐車場まで、足早に戻って行く。

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