不器用な彼氏
『いつだったかな?…偶然、渚に会った時に、海成の話になって、何も知らないあの子が、不思議そうにその話をしていたから、ちょっと気になってたの』
不意に、私に向き直り、じっと見つめると、次の言葉を聞く前に、胸の鼓動が高鳴りだす。
『だって私、条件の最後に、こう付け加えたのよ…』
トクン…
『…“次に名前を呼ばせるのは、最後の恋人だけにしてね”って…その意味わかるでしょう?』
トクン…トクン…
微笑む理香子さんを前に、込み上げている感情が、目頭を熱くさせる。
名前で呼べと言われた、あの職場の暗闇が脳裏をよぎる。
そう言われて、ただ嬉しくて、何も知らずに、口にしていた名前。
もし、本当にそんな意味が含まれていたら、海成とのもっと先の未来、期待しちゃって良いのかな?
不意に、私に向き直り、じっと見つめると、次の言葉を聞く前に、胸の鼓動が高鳴りだす。
『だって私、条件の最後に、こう付け加えたのよ…』
トクン…
『…“次に名前を呼ばせるのは、最後の恋人だけにしてね”って…その意味わかるでしょう?』
トクン…トクン…
微笑む理香子さんを前に、込み上げている感情が、目頭を熱くさせる。
名前で呼べと言われた、あの職場の暗闇が脳裏をよぎる。
そう言われて、ただ嬉しくて、何も知らずに、口にしていた名前。
もし、本当にそんな意味が含まれていたら、海成とのもっと先の未来、期待しちゃって良いのかな?