不器用な彼氏
第6話 引き裂かれる恋人達
『進藤さ~ん』

2階の社員用階段踊り場から、1階下にある喫煙スペースにいる彼に声をかける。

『あぁ?』

かったるそうな、いつもの返事が返ってきた。

『窓口にお客さん来てま~す』
『チッ、今、行く』

つっけんどんな声で答えると、今、火をつけたばかりの煙草を乱暴に吸殻入れに入れ、2階へと続く階段に向かう。それを上から見届けてから、階段の上り口で待つと、ほどなくしてゆったりとした足取りで、彼がやってきた。

周りを見回し、誰もいないことを確認すると、上りつめた彼の腕を引っ張り、廊下の隅に設けてある自動販売機が置いてある、ちょっとしたスペースに引っ張り込んだ。

『わっ!?何だよ?』
『しっ!』

この場所は、廊下から少しくぼんでいる為、死角となっているが、念のため誰にも見られていないことを確認する。

『おい、お前…職場だぞ?誰かに見られたらどうすんだ』

眉間にしわをよせて、たしなめるように言い放つ。

『だって!本当なの?』
『はぁ??』
『聞いたのよ!広域建設部へ内部異動かもって!』

思わず彼の胸元をつかんで狭いスペースの奥へ追いやりながら、必死に訴え問いかける。

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