塩顔男子とバツイチ女子


「香ちゃん、いいママだよね。子どもの事しっかり考えて育てて、圭の仕事手伝って、うちのお母さんうるさいのに上手く付き合って」

「お母さんには優しくしてもらってる。妊娠中からずっと面倒見てくれてるし。お姉ちゃんは実の娘だから、お母さんもキツいこと言えるんだと思う」


こういう所が本当にしっかりしてると思う。母の事を立てて、角が立たないようにして。日中は母も畑仕事してるから家に居ないけど、同居って何かとストレス溜まるだろうに。


「まぁ散々言われたよね、あの時は」


私が鈍感だから離婚に至った時ね。
“何で自分の旦那の変化に気づかないの?仕事のしすぎで旦那の事かまってなかったんじゃないの?そもそも結婚して三年目なんて危ないじゃない。三年目の浮気とかいうし”なんて小言を聞かされまくった。

こっちは突然降りかかってきた災難にショックを受けてるのに、更に傷口をえぐられて。



「お姉ちゃん、再婚する?」

「うーん…今は全然考えられないなぁ。自分では普通に順風満帆な結婚生活だと思ってたけど、そうじゃなかったし。いつかまた恋はしたいと思うけどね」


まだ私だって20代だよ。恋の一つや二つしていたい。結婚に発展しなくていいから。むしろ片思いでもいい。そこから始めて、ちゃんと段階を踏んでいかないと。


「そういえば、ばあちゃんに若い男がいいって言われた」

「年下?!いいかも。お姉ちゃんの事、好きで好きでたまらない♡みたいな人は?」

「いいかもね。一度くらい、そこまで想われてみたいわ」


やっぱり私を大事にして、ちゃんと好きでいてくれる人がいい。ボロボロの私を見ても好きだと言ってくれる人。

いい歳して夢見がちかな?

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