塩顔男子とバツイチ女子
「みんないらっしゃい!!」
なつみさんの実家に着くと、圭さんとその奥さん――香さん、それから祥太くんが縁側で遊んでいた。
「こんにちは。これ、俺らからお土産です」
「わざわざありがとう」
蒼はお土産を香さんに渡している。圭さんはすでに肉や野菜を焼き始めていた。雲一つない快晴で日差しが強いけど、風が吹いていて気持ちいい。見渡す限り畑で、隣家までの距離がとにかく遠い。
「みんな荷物とか適当に置いてね。縁側から中に入ってくれたらいいから」
「北斗~!手伝え!」
圭さんはトングを振り回しながら大声で呼ぶ。
「あっ!ちょっと待って」
香さんは俺と蒼と優斗を横並びにさせると、まじまじと顔を見てからニコッとして俺を指差した。
「北斗くんだよね。合ってる?」
「はい。相楽北斗です。初めまして」
「初めまして。市川香です。自己紹介が遅れちゃって。それから…蒼くんと優斗くんだ!」
香さんは二人をちゃんと当てた。なつみさんから二人の特徴を聞いていたらしい。俺の事は圭さんから“一番スカしてるヤツが北斗”と聞いていたという。
「それから美白ちゃん。お姉ちゃんが言ってたけど美人さんだね」
「そんな事ないです。私は全然、中身も子どもで」
蒼と優斗は圭さんからトングを受け取って、肉をひっくり返している。玉木は縁側にバッグを置くと、小走りで蒼の方へ向かった。
「香ちゃ~ん!みんな分かった?ちょっと手洗ってくるね」
車庫に車を停めていたなつみさんが戻ってきた。靴を脱いで縁側に上がると祥太くんの頭を一撫でして奥に行ってしまう。
「北斗くん、抜群だね。背は高いしかっこいいし。優しそう」
「優しいかどうかは分からないですけど」