切リ取リマスカ？
「大雅、最近変な人たちと付き合ってるでしょ？」


ジッと大雅を睨み付けてそう言うあたし。


大雅はめんどくさそうに欠伸をして「なんのことだよ」と聞いて来た。


「とぼけないでよ！　借金があるでしょ！？」


「あぁ……。なに？　あいつらもうお前と接触した？」


その言葉にあたしは瞬きを繰り返した。


そして生まれた疑問。


そもそもあの２人はどうしてあたしの顔を知っていたのか？


「大雅……もしかして……」


「だからその前に俺とヤってればよかったんだよ。その方がお前もショックは少なかっただろ？」


呆れた口調でそう言う大雅に、あたしは唖然としてしまった。


あの２人は大雅からあたしの事を聞いていたんだ。


あたしを渡す代わりに借金をチャラにする話を、大雅の方からもちかけたんだ！


怒りと絶望と悲しみがわけのわからないグチャグチャの状態でせりあがって来るのを感じる。


「な……んで……」


「仕方ないだろ？　女と遊ぶにのは金が必要なんだって。わかるだろ？　お前がいてくれたおかげであいつらいくらでも金出してくれるんだ」


そう言い、愉快そうに笑う大雅。


次の瞬間、自分でも気が付かない内にあたしは大雅の頬を思いっきり叩いていた。
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