初恋
女中さんに案内された2人は広々とした部屋に入った。



一緒に女中さんも入ってきて葵は驚いたが顔に出さないようにして座布団の上に座った。



何をするのかな~って見ていると女中さんはお茶を入れながら館内の案内や注意事項などを話し始めた。



紫月の方を見ると以外にもくつろいだ雰囲気で対面の座布団に座り湯飲みを手にした。



「葵、おいしいよ」



じっと見ているのがばれていたみたいだ。



「こちらのお菓子とご一緒にどうぞ」



女中さんが葵に微笑んで菓子器を手で示した。



「紫月、お菓子まで付いている!」



旅館が初体験の葵はすべてが珍しくて表情がコロコロ変わる。



葵が菓子器のお菓子を全部食べそうな勢いだった。



葵より先に紫月が中から一つつまむ。



一通り説明が終わると女中さんは「どうぞごゆっくり」と言って出て行った。



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