こうなったのは、アイツのせい。

ハチャメチャなスタート。

眠い……

異常に眠い……

絶対前にいる、あのハゲのせいだ。

眠いながらもハゲに向かって睨もうとしたら、隣の人に肘でつつかれた。



「もう、あたしの安眠を邪魔するのは誰……って佳奈じゃん。何でここにいるの？」



「は？あのさ、海月。今入学式の真っ最中だよ？あのハg……じゃなくて校長先生の話で寝るのは良くないと思うけど。同じこと繰り返し言ってるから眠いのは分かるけど。」



……佳奈。いま校長のことハゲって言いそうになったよね。あと、校長のこと何気にディスったよね。まあ、それはどうでもいいや。



そう、あたし椎名海月（しいな みつき）は晴れて青南（せいなん）高校に合格して、入学式に参加しているのだ。



隣にいる美人だけど口が悪いのが、同中出身の西条佳奈（さいじょう かな）。校長をディスったのは許してあげてね。



「よく聞いて、佳奈。入学式なんてものは、校長がベラベラ喋って、メガネかけた、いかにもガリ勉って感じの人が新入生代表挨拶をするものなの。こーゆーお決まりは飽きたの。よって、あたしは寝てよし！」