ハートに触っちゃダメです！

「送ってくぞ。」

夕食を終えると丸瀬先生がすぐさまそう言った。


「もう帰るの？」

うららが淋しげに言う。


丸瀬先生には、うららを一人にするなって言われてる。

だから、丸瀬先生が帰りの遅い時はいることにしてる。


だけど、丸瀬先生が帰って来ても最初のころは、うららが『淋しい』とか言うとほんとにそうなんだと思って結構遅くまで一緒にいたりしたけど・・・


最近やっとうららの正体が読めてきた。


こんな表情したって

「うん。せっかく丸瀬先生が送ってくれるってゆーから帰るね。

私のバイトの時間は過ぎたし。」



午前１０時から午後の６時―――私のバイトは夕食まで。


それは、丸瀬先生が

『うららは、俺とだとちゃんと食事しないから、浅見みたいによく食べるやつが一緒ならちょっとは食べるようになるだろう？』

とか言ったから。


『浅見みたいによく食べるやつ』ってとこが少々ってか、かなりムカついたけど。



でも、そう思うでしょうね？


だって、学校でお昼に丸瀬先生がやって来ても一人で黙々とお弁当を食べ続ける女子生徒は、私ぐらいのものだから？


だって、丸瀬先生のことなんて眼中にないもん！

なのに、

丸瀬先生は、ただ単に私が食いしん坊だと思ってるみたい？



いいけど・・・どう思われたって！