ハートに触っちゃダメです!
どうしようか?

そっと上掛けから顔を出し

「小山先生って結婚するんですよね?」

思い切って聞いた。


「あら?もう知れてるの?うん。

式は、まだ先なんだけど一応3月いっぱいで退職。

でも、彼って体育の教師でしょ?

心配なのよね。

定年まで体育の教師ってできるの?とか

やっぱり私も仕事続けた方がいいのかな?とかねぇ・・・


実際もうちょっとここにいたかったんだけど夫婦で同じ学校だと何かとだし?


あら?ヤダ!

生徒にこんなこと・・・私ったら・・」



そう言いながらも小山先生の表情は嬉しそう


学校辞めるのだって全然残念そうじゃない。


そうだよね?

だって丸瀬先生と結婚するんだから・・・


間違いなく丸瀬先生

小山先生と


結婚する

そんなこと確かめなくっても良かった


なのに

「おめでとうございます。」

心にもない言葉


「ありがとう。」

心底嬉しそうな返事


ベットから飛び降りて

掴みかかって

思いっきり

引っ叩いて

言ってやりたい


『丸瀬先生は私のもの!』



けど

そんなこと言えるはずがない。
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