もし、君のことが好きと言えたなら。
「あずっ!」
後ろから急に私を呼ぶ声が聞こえて、私とこのみちゃんが同時に振り向く。
「佑くん!」
佑くん...竹内 佑平(たけうち ゆうへい)は、私の家の隣に住んでいて、小学校からの幼なじみ。
「なー、今日の夜あずん家行っておっけ?俺、観たいDVDあるんだけどさー、昨日からアニキが来てて。ずっとテレビの前占領してるからなかなか観れなくてさー。」
はぁーっ、と盛大な溜息をつく佑くん。
中学くらいの時から結構頻繁にこういうことがあるから私ももう慣れっこで、私の部屋で佑くんが観たかったDVDを一緒に観てる。
「ん、分かった。じゃあまたお菓子とジュース用意しておくね?」
「サンキュ!じゃ、部活終わってからあずん家行くわ!」
そう言って財布から500円を私に渡して、
「で、いつものやつも買っといて!今日は乾杯しようじゃないの!じゃ、また後でな。」
満面の笑みを浮かべ、私の頭をポンポンっと撫でて自分のクラスへと帰っていく佑くん。