白い狐は出会いの季節

「あ、じゃあ総長って言うのは?光さんが業さんのこと総長って言ってましたよね。」



「あぁ、あれは特に意味は無いよ。あれも光が呼び始めたんだ。」




光さんのノリなら全部有りうる。




「そろそろ家に着く。」



業さんは車のスピードを落として家の前に止めてくれた。


「桜井」と書かれた表札が見える。ここだ。



電気がついておらずカーテンも締め切っている。



「?お前の姉さんとやらは居ないのか?」



「あっ、夜遅くまで仕事なんです。多分朝には帰ってくると思うんですけど」



「そうか。」




あまり表情を変えない業さん。


私は車から降りて改めてお礼を言った。



「本当にありがとうございました、結果的に助けてもらったし。
光さんにも真唯にもよろしく言ってくれるとありがたいです。」



「伝えておく。
じゃあ今日はゆっくり休め。真唯が相当お前のことが気に入ったらしい。学校でも仲良くしてくれると助かる。では失礼する。」



業さんの車はすぐに見えなくなった。

やっぱ外国の車って速いのかな。
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