I line xx
The fall of aftrenoon
秋の午後は早い


それでも


時々街の中を吹き抜ける風が


ひんやりと頬に心地良くて


軽めの昼食をカフェで済ませると


スタジオに向かうのに地下鉄を使わずに


一駅歩くことにした


ハロウィンが終わり街のイルミネーションが


一斉にクリスマスのものに


本格的に変わった


今日から新しい曲のレコーディングをする


それが嬉しくて


いつもより早く家を出た


その勢いで、今日は遠回りをして公園を散歩しようかな


時間を確認したくてスマホを覗くと


正午を少し回っていた


今日のリハーサルは四時から


この時間は愛果の休憩の時間


いつも愛果がラインを送ってくる


どうせなら、公園のベンチに座って緑の中で


彼女と話たい


そう思った


「元気?」


公園に入って広場に抜ける道は


自転車も車も通らないから


スマホを開いて愛果にそう送信した


そして落ち着けそうなベンチを


探した


休憩時間の公園は過ごしやすいこともあって


お弁当を広げて食事をしている


人達が沢山いた


池の近くで大きな木の下のベンチが


一か所開いていたので


そこに腰を下ろした



楽器を下ろし


ポケットの中からスマホを取り出し


確認をすると


愛果から返信のメッセージと


今日の弁当の写真が送られてきた


愛果も公園でランチをしているらしい


一緒にコスモスの写真が添えられていた


俺も公園にいるよと


返信すると


「デートだね(*^^*)」

とメッセージが送られてきた


空は何処までも深い青色の空が


広がっていた


< 25 / 62 >

この作品をシェア

pagetop