【短編】恋のおわりとはじまり
“あの日”から1週間くらい過ぎて、もう校内は文化祭に向けての準備が進んでる。

10月後半の文化祭はこの中学校では大きいイベントの一つ。

私たち1組は3組と合同で縁日みたいなものをやるらしい。例えばたこ焼きとかを売ったりとかの。

今日は同じ部活の緋香里や朱希たちと居残りで準備をしている。

とりあえず今日は部活は休みの日。だから十分時間はある。

ざっと見て男女合わせて20人くらいかな? 残ってるのは。

男子がテーブルとかなんとかの重いものを3組の教室に運んで、女子は看板の制作とメニューづくり。

黙々とやってるのも暇だからみんなでしゃべりながら作業をする。

「―――でさー、この前の実力難しかったよねー」

「ホントホント! あんなの教えてもらってないしっ」

前者が緋香里で後者が朱希。

「やっぱやだよね、テスト。文化祭終わったら中間だよ。」

私もちょっとだけ口をはさんでみた。

「ちょ、香奈! ヤなこと思い出させないでっ。せっかく忘れてたのに」

「や、忘れるって……テスト勉強もぼちぼちしないといけないでしょ?」

「いーのっ。まだ1ヵ月も先なんだから」

そしてみんなでまたどうでもいいような話を始め、私もその中に入ってできるところの準備をした。
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