御曹司と愛されふたり暮らし
藤森さんのお父さん、大丈夫かな? それに、藤森さんも動揺してたって……。心配だな。


……心配だな、と思う気持ちは確かなものなのに。



藤森さんとハルくんが、私の知らないところで会うことがちょっと不安だな、なんて、最低なことを一瞬でも思ってしまった自分がいて、最高に嫌気が差した――……。






家に帰ってから、自分が食べるだけの夕食を簡単に用意し、ひとりで食べた。


お風呂には入ったけど、ハルくんからの連絡は一度もないままで、ふとリビングで時計を見れば、もう日付が変わっていた。


あの時のハルくん、駅の方向へ走っていったし、電車で藤森さんのところまで行ったんだよね? 終電、もう終わってるよね……? 泊まってくるのかな……?



仕方ない。ハルくんもお世話になった人が倒れたんだもの。容態が悪ければ、帰ってはこれない。


だから、ざわつかないでよ、私の心……!
自分の醜さを感じて、嫌になるから……!


自分の中の嫌な感情を振り払いたくてギュッと目をつむった、その時。


ーーガチャッ。

「あっ」

玄関の戸が開く音がした。ハルくんが帰ってきたんだ!

私は急いで玄関へと向かう。

ハルくんは私に背を向けて靴を脱いでいた。


「お帰り、ハルくん!」

私は彼の背中に、そう声をかけた。


……すると、彼は。


ーーバンッ‼︎

と、私の足元にバッグを叩きつけた……。
思わず身体がビク、と震えてしまった。
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