大人スイーツと一緒に
スイーツ
ハロウィンの飾りが外された街は、息つく暇もなく、クリスマスの装飾へと変貌する。


クリスマスは何歳になっても心踊るものだ。


プレゼントなんか無くても、街の装飾を見ているだけでワクワクもするし、癒されもする。


「今日のチェックアウトが終わったら、ツリーをしまわなきゃ…」


「そうですよね、しまわなきゃですよね。忙しくてクリスマスどころじゃなかったですね」


私達はホテルのフロントで働いている。


お客様の姿が見えるまでの間の束の間のおしゃべり。


後輩と2人、クリスマスを満喫出来なかったと言って、お互いのお疲れ話に花を咲かす。


「先輩、明日は湊さんとデートですか?」


「うん、お互いに休みが一緒だったからね」


湊さんとは、私と同期入社の彼氏である。


私はフロント勤務、湊は同じホテルでパティシエとして働いている。


お互い、早番、遅番の交代制なので思うように会えない。


ホテル勤務は拘束時間も長く、仕事終わりに会ったとしても夜も遅くなりがちなので外出はせずに、部屋で過ごすのがほとんどである。










< 1 / 9 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop