天空の覇者
現場海域は相変わらずの水煙と黒煙にまみれていた。

海上あちこちに怪獣の血と思われる赤い膜と撃ち落とされた味方の燃料と思われる黒い膜が辺りを覆っていた。

「ジョー…もう3機やられたらしいな」

大隈の言葉を裏付ける様に鉄の塊に成り果てたスカイホェールが5機…ぷかぷかと浮いてる。

パニくってやたらめったらミサイル撃ち込んでるんで一応攻勢らしいが時折食らう怪獣の反撃でバタバタ墜とされてんだな…

"ズガガガガガガ〜ッ!"

バルカン砲の連射が虚しく海に飲み込まれていく。

「こんだけ攻撃しといて致命傷与えきらんっちゃあコイツら何年パイロットやってんだろうね」

大隈のやれやれと言わんばかりの声が無線越しに聞こえる。
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